お猿の移動

里子を里親さんに届けに行く、または里子を引き取りに行く際に気をつけて欲しいことをまとめてみました。

気付いた点や出てきた問題点などを基に、順次追加していきますので、疑問や質問などありましたら、こちらの【メール】、または【メールフォーム】へお寄せください。


里子移動時の注意点

移動手段
車・電車・飛行機など。
ケージ、またはキャリーを使用。
気をつけること
普段から車などによる移動に慣れている個体は、この限りではありません。それぞれに合った移動方法でお願いします。ただ体調やストレスによって何が起こるかわかりませんので、経過観察だけは油断せず行ってください。
どの移動手段においても、乗り物酔いや移動のストレスで食べた物を吐いてしまい、吐瀉物が喉につまって窒息することがあるので、食事直後の移動はさけてください。
あまりに空腹すぎても体調を崩すので、食事を取らせた後、充分な時間を置いてから移動を。
2〜3時間程度の移動であれば、餌はあげなくても大丈夫ですが、水分補給に気をつけてください。電車内などはかなり乾燥します(キャリーなら、隙間から差し込めるミニ給水器などを携帯すると便利)。
長時間の車移動の場合は、途中休憩を取り、その際に餌を食べさせるようにすると安全です。
仕方なく餌を入れっぱなしにする場合でも、移動時には緊張や振動でうまく食べられない場合があるので、休憩を取って食べられるように考慮してください(また、喉に詰まりやすいものは避けるように)。
途中休憩で食事を取らせた直後の移動は避けて、ここで一緒に人間も少し休みましょう。
時間を置いたとしても、乗り物酔いの心配があるので、変わった点はないかなど、食事後や移動中は充分注意して観察してください。
電車などによる短時間の移動ならキャリー、車で長時間かかる移動の場合はケージの方がいいかも。
ケージの場合は、安定して丸まっていられる場所を確保してください(止まり木だけだと落ちてケガをすることもあります)。
お猿がかぶれる薄手の毛布やフリース、捕まっていられるぬいぐるみ(普段から慣れているもの)を入れておくと良いです。新しい今日初めて見たばかりのぬいぐるみは、お猿にとって怖いだけです(普段から新しいぬいぐるみでも平気な子は、この限りではありません)。
怖がる子は、目隠し代わりにケージやキャリーに布、毛布などをかけてあげてください(軽い保温にもなります)。電車内で使用するキャリーはなるべく周囲から中が見えないものの方が良いです。周りからのぞきこまれること自体、ストレスになります。そのうえで、上から布やタオルなどをかけて周囲の景色を見えないようにする方が、落ち着くようです。
電車も車も、温度に気をつけ、直接冷暖房の風が当たる場所などは避けてください。
飛行機移送の場合、貨物室に入れられることになります。冬などは非常に寒く、振動も大きいこと、様子も見れないのであまりお勧めしません。
航空会社によっては、ペット室がある場合もあります。温度としては15〜20度程度と少しマシですが、こちらもかなり振動を受けます。揺れてもケガを負うことがないようクッションを入れたり、内部に毛布を貼るなど工夫が必要です。
飛行機の貨物室、ペット室共に、他の動物と一緒に運ばれることになりますので、猿にとってのストレスはかなりのものになると思います。
寒い時期の移動は、湯たんぽなどの保温対策も必須となってきますが、ケージ内に固定しておかないと、振動で湯たんぽなどが動いた場合、猿の逃げ場がありませんので、気をつけてください。ホッカイロを内部に貼り付けるのは意味がありません。
どれだけ移動に慣れていても、普段とはまったく違うストレスを受けることになります。過度のストレスによる心理変化、体調変化により急激に体調が悪化する場合もあり、すべての個体が無事に里親宅へつけるとは限りません。里子を出す方・里親になる方は、その点をよく考えて、なるべく最小限のストレスに抑えられるよう工夫してください。